ベストグループ 見聞会講話集

衣川晃弘大先生「21世紀を幸せに生きる」第12巻より

2020年(令和2年)4月19日 ベストグループ道央・道南一日研修 ①

皆様、おはようございます。私の生みの母は脳梗塞で亡くなり、父も脳梗塞で亡くなりました。ですから、私も脳梗塞の遺伝子を持っているのです。しかし、私の血液は綺麗でサラサラです。なぜなら、脳梗塞にならないように、日頃から注意をしているからです。

食べ物は菜食を重点にして、脂っこいものを摂らないようにしています。人間の体は、心と食べ物でできています。悪い心は、悪い性質を作り出します。善い心は、善い性質を作り出します。

人間の体は、食べ物よりも心の方が大きなウエイトを占めていると、インドで学びました。体の百のうち六十以上は、心が支配しているのです。その心は、善い心と悪い心と損得を通り越した心があります。その心が人生を支配し、体を支配しているのだと学びました。

ですから、食べ物も大事ですが、人間の心が一番大きなウエイトを占めているのです。私は父と育ての母によって、少しは善い人間に育てていただきました。悪いほうではなかったと思います。

父は小学校を四年しか出ていませんでした。私が二歳半の時、生みの母は私を置いて家を出ました。育ての母は、小学六年しか出ていませんでした。しかし、その父と母によって、命の大切さと人間性、人格の大切さを教えられました。

「人生はお金儲けをすることではない。社会や人の役に立つか、立たないかが人生の証だ」と、私は父から教えられて大きくなりました。

「昔、札幌に農学校があって、アメリカから来たクラーク博士が『ボーイズ・ビー・アンビシャス。少年よ、大志を抱け』と言ったように、晃弘、大きくなったら、社会や人類の役に立つ人間になるんやで。それには、社会や人類の役に立つ人格が必要だ」、「人間は凄い能力を持っている。為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり。成らないのは、本当にしようと思わないからだ。本当にしようと思ったことは、必ずやり通すことができる」という父の言葉を、私が二歳半くらいの時からずっと聞き続けていたので、今でも私の脳にインプットされているのです。

また、父は「人を裏切ってはいけない。人から恩を受けたら、一生をかけて恩を返しなさい」と教えてくれました。その教えが私に、脈々と受け継がれているのです。

だから私は、一度恩を受けたら全力で恩返しします。そういう人は、ずっと私に付いてきてくれています。私は貧乏な家庭で育ちました。私が中学校を卒業するまでに、四十回は夜逃げを経験しました。それでも、私は父を恨んだことがないのです。

私は父が大好きなのです。なぜなら、父は社会であまり活躍していなかったとしても、私を一生懸命に育ててくれたからです。

私のすることに、父は一切、反対しませんでした。「晃弘、やってみなさい。やってみないと分からんぞ。人間に与えられた能力は、思いが実現する能力だ。『信念岩をも通す』と言って、人間の思いは全て貫き通せるのだ」と教えてくれたのです。

「間違ったことをしたら、間違った人生を生きる。素晴らしいことをしたら、素晴らしい人生を生きる。思いが大事だ。良いことを思いなさい。社会の役に立つことを思いなさい。その思いが実現したら、お前は立派な人間になっている」と教えてくれました。

貧乏な家庭の中でも、父はそのような教えをしてくれました。父が私に教えてくれたことは、間違っていませんでした。誰が好き好んで、色々な苦労をさせてくれるでしょうか。