ベストグループ 見聞会講話集

衣川晃弘大先生「21世紀を幸せに生きる」第11巻より

2019年(令和元年)12月7日 ベストグループ道北道東一日研修 ①

皆様、おはようございます。私は三十六歳から北海道へ来ています。事業家時代の三十六歳の時に、北海道に支店を作らせていただきました。当時、人格形成の会社と販売会社の、二つの会社を経営していました。

販売する方は、自分の人格を磨かなければ商品の販売ができませんので、人を育てることが一番大事だと思いました。実は、飛び込み訪問販売は、とても難しいのです。自分の知らないお客様の所へ飛び込んでいくわけですから、難しいのです。

だから、人格の穏やかな方がお客様から受け入れていただけるのだろうと思い、人格形成の会社を作らせていただいたのです。全て、自分自身の成長のために、人格形成の会社と販売会社を作らせていただいたのです。

そうすると立派な会社になり、あっという間に訪問販売業でトップクラスにならせていただきました。しかし、経営者の私が「俺は偉い」と思った時に、会社が潰れかけていったのです。

「企業は人なり」と言われますが、支えて下さる人以上に経営者の人間性が大事だと、この時の失敗を通して思うようになりました。私の四十九年間の経営の中で、四十一歳から四十三歳の三年間だけ、潰れかけた経験をしております。

それ以外は、見えない力で事業も繁栄させていただき、生きている喜びを感じておりました。なぜなら、私はお金儲けをしようと思って独立したのではなかったからです。

私は二十七歳で独立して、布団の乾燥と丸洗い業を始めました。当時、三百万円の借金をして、独立したのです。それまで、今のお金で九十万円の給料を頂いていました。しかし、四年勤めたサラリーマンを辞めてでも独立を決意したのは、給料の大小ではありませんでした。

「社会や人のお役に立ちたい。日本中の布団を綺麗にして、気持ちの良い、綺麗な布団で寝ていただきたい。汚れた布団をドライクリーニングして、汚れも取ってあげたい」と思い、独立の道を選んだのです。

私と同じ時期に、一緒に独立した方がいました。その方は、ある銀行の部長をされていた方でした。その方は、誰が見ても人柄が穏やかで、笑顔も良く、物腰の柔らかい方でした。私から見ても、あんなに素晴らしい方はいませんでした。

その方は営業のプロでしたので、言葉遣いも心得ておられました。一方、私は経理マンから独立しましたので、営業の仕方は全く知りませんでした。ところが、私とその方とでは、独立をした目的が違ったのです。その方は「お金儲けをしたい」ということで独立したのです。

私は、社会や人のお役に立ちたい。布団を綺麗にしてあげたい」という気持ちで独立しました。では、お客様はどちらに注文をして下さると思いますか。私が飛び込み訪問に行くと、ほとんど注文を下さったのです。